Q : 色々なメーカーから寒天が発売されていますが、どのように違うのですか?  

A : どの製品も天然の高分子である寒天が主原料として使われているので、会社やブランド、価格によりその特性や精度が大きく違う事はございません。

術者の感性に合った粘度や色等で、いかに気持ちよく使う事が出来る製品であるかを選択の最優先事項にして下さい。精度はいかに正しく取り扱うかが最も大切な事項です。ソフトタイプやハードタイプにより粘度や強度は相当違います。又、サンプルを試す時はすべて同一の温度で試すと差異が解りやすいと思います。

迷われたら是非ご相談を!

Q : 寒天によってどのような特性の違いがあるのですか?  

A : 寒天は大きく分けてところ天用とみつ豆用の二つに分けられます。ところ天用は粘性が高く弾力があり折れにくい寒天です。逆にみつ豆用は粘性や弾力がなく折れやすい寒天です。

この二つの寒天をそれぞれ同じ濃度で溶解しシリンジから出してみると解って頂けると思いますが、ところ天用は粘度が高いのですが、ゲル化温度が高く、硬化が早い特性があります。逆にみつ豆用は粘度が低いのですが、ゲル化温度は低くて硬化に時間が必用です。

デントロイドはこれらの特性を最大限に引き出す為にうまくブレンドを行い、印象に適すように作られています。

粘性の違い(Movie)

ところ天用

みつまめ用

弾力の違い(Movie) 

ところ天用

みつまめ用



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Q : お勧めのコンディショナーは?  

A : 現在アルミブロックを加熱するドライタイプのフルオートコンディショナーが主流です。コンパクトで水を使わないので清潔です。また作動はフルオートが多いのでスイッチを入れるだけでボイルからストレージまで器械が自動的に行います。シリンジタイプとカートリッジタイプがあります。

しかし、湿式コンディショナーと比較すると寒天印象材が劣化し易いので、再使用を最低限にする、温度管理を厳重に行う等の注意が必用です。

Q : 寒天の最適な保管場所は?  

A : 冷暗所が理想です。年間を通して温度変化が少ない場所に保管して下さい。また、冷蔵庫に保管した場合は外との温度差が激しいので必要量を取り出したらすぐに冷蔵庫に戻しましょう。頻繁に大きな温度差をあたえますとシリンジタイプでは寒天内の水分が外に出てしまったり、カートロイドではアンプル内壁とデントロイドの間に隙間ができてしまう事が多くなります。
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当然のことですが買い溜めは絶対にしないでください。セールだからといって1年分を1回で買ってしまうのは無謀な事です。常に新しいロットの製品で印象採得ができますよう、1ケ月分を目安に購入して下さい。


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Q : シリンジ内に気泡がでるのですが?  

A : シリンジヘッドの空気を抜き忘れていませんか?デントロイドとピストンを密着させて挿入したのに気泡が出てしまうのは、シリンジヘッド部に残っている空気を抜いていない事が原因で発生することが多いようです。デントロイドを確実に挿入したら少し力を入れて針先から寒天ゲルを少量圧出してください。この操作によりヘッドの部分の空気が抜けます。この状態でコンディショナーにセットしましょう。

Q : デントロイドの色素が分離してしまうのですが?   

A : 原因のほとんどが過度のリボイルや高温での長時間ストレージです。 
繰り返しボイルや高温での長時間ストレージを行いますと、デントロイドの分子結合が破壊され、粘性がなくなり、pHの変動により最悪の場合は液状になってしまいます。デントロイドの1箱はすべて同一の釜から製品化されていますので、1箱のうちの数本に異常が発生する場合は二次的な要因が原因の場合がほとんどです。
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ご使用には次の点に気をつけて下さい。

○定期的にコンディショナーの温度や時間などが正しく作動しているかを確認しましよう。

○繰り返しのボイルを避ける為、一度ボイルをした物は意識して早く使い切って下さい。再使用は2~3回までにとどめましょう。物性がいつもと少し違うと感じたら危険信号です。

Q : 診療が終って残ったデントロイドはどうすればいいのでしょうか?    

A : 診療が終わった時点で電源を切って下さい。コンデイショナーのスイッチを入れ続けるのは危険ですし、デントロイドの劣化が極端に早くなってしまいます。

残った場合は次の印象で使い切りましょう。注ぎ足しはしないでください。

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Q : 診療途中にデントロイドが足りなくなり、急いで準備するのに良い方法はありますか?  

A : コンディショナーが適温になっている状態でしたら料理用鍋にタオルを敷き(直火を避ける為)10分間煮沸してからコンディショナーに戻して下さい。約20分後には物性が安定し、使用が可能になります。

コンディショナーに電源が入っていない場合はコンディショナーの電源を入れてすぐに本体裏側のボイルキャンセルボタンを押します(デントロニクス社みずいらずの場合)。

約15分でストレージ適温になります。その間にデントロイドを家庭用鍋で煮沸を行えばコンディショナーに戻して約20分で使用が可能になります。

Q : デントロイドのサイズはどのような物がありますか?     
 

A : レギュラーは直径8mm、長さ55mm又、カセロイド、カートロイドは直径7mmで長さ48mmです。レギュラータイプと比べるとカセロイド、カートロイドタイプは3割程度容量が少なくなりますので、多数歯の印象には数本が必用になります。 

Q : デントロイドとアルジネートの接着が十分でない時がありますが?  

A : デントロイドとアルジネートの接着はどちらも固まらない状態(ゾル)での接着が第一条件です。どちらかが固まった状態では接着しません。接着はタイミングがすべてです。

術者とアシスタントの方とのタイミング、アルジネートの練和水の温度を年間を通して一定にする等、常に一定のタイミングで圧接するように練習しましょう。

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デントロニクス社の『クルクル2』を使うと、アルジネートを素早く綺麗に練ることができます。

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Q : シリンジにはどんな種類がありますか?  

A : デントロニクス社の場合、ドライコンディショナー用・ドライ・ウエット兼用コンディショナー用とカートリッジ用があります。